近年、海の幸である魚介類に潜む寄生虫「アニサキス」による食中毒が急増しています。
適切な予防対策を行わなければ、激しい腹痛や嘔吐など、重症化することもあります。
「冷凍すれば大丈夫?」そう思っている方も多いのではないでしょうか?
ただ冷凍するだけでは十分にアニサキスを死滅させることができない場合があります。
この記事では、食中毒リスクを減らすために、自宅でできる予防策について詳しく解説します。
魚のお刺身やしめ鯖などを、安全に楽しむにはアニサキスは避けて通れない問題です。
適切な処置と調理法を守ることで、リスクを最小限に抑えることができます。
そのために、食品安全に関する知識を持つことが重要です。
正しい知識と対策で安全に魚介類を楽しむことができます
アニサキスは、アニサキス亜科に属する線虫の総称です。その幼虫が魚介類に寄生します。
最終宿主である、クジラやイルカなどの海洋哺乳類の消化器官で、成虫になり卵を生みます。
卵は、宿主の排泄物と共に海中へ放出されて孵化し、幼虫はオキアミ(中間宿主)などのプランクトンに寄生します。
食物連鎖を繰り返しながら、連鎖上層部である魚類やイカ(中間・待機宿主)の消化器官に幼虫は寄生します。
幼虫の体長は数ミリから2~3センチ程度で、白色の糸状をしています。
宿主の死後、時間が経過すると内臓から筋肉へ移動します
アニサキスの幼虫は、最初の宿主としてプランクトンに寄生し、そこから生まれる食物連鎖によって、宿主を変えて寄生を繰り返します。
アニサキスが寄生している小さなプランクトンを小魚が捕食、その小魚を大きな魚が捕食、その大きな魚を人間が生で食べることによって、アニサキスによる食中毒を発症することとなります。
一般的にアニサキスの幼虫は、以下の天然の魚介類などに寄生しています。
アニサキス幼虫が寄生している魚介類を生で食することで、幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
症状が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
アニサキス症が疑われる際は速やかに医療機関を受診してください
厚生労働省によると、アニサキス幼虫を確実に死滅さすには、-20℃以下で24時間以上冷凍する必要があります。
出典:厚生労働省しかし、家庭用冷凍室の温度はJIS(日本産業規格)によって-18℃以下と定められていますので、少々心もとないです。
つまり家庭用冷凍庫の場合、設定温度の限界や日常使用で開閉を繰り返すことを考えると、-20℃以下にするには難しい環境下です。
じゃあ、どうしたらいいの?
1日ではなく、2日以上の冷凍ですね
アニサキス症を防ぐためには、中間宿主を生食しないことが、最も確実と言えます。
それ以外では、適切に冷凍処理を行うことで、リスクを下げて安全に食事を楽しむことができます。
目視やブラックライトでの除去は、慣れと経験が必要です。
アニサキスは海水魚に寄生する回虫で、人間の体内で食中毒を引き起こすことがあります。
安全に魚介類を食べるためにアニサキスを除去、死滅させることが重要です。
しかしながら、アニサキス死滅に関する間違ったウワサや、誤解を招くような迷信も多く存在します。
日常使いの調味料では濃度が低すぎます。薬味も効果は無いです
アニサキス幼虫はとても小さく、どこに何匹潜んでいるかわかりません。
表面はなめらかでゴムのよう、かつ細い糸のような形状のため、よく噛むには懐疑的です。
目視の徹底と、刃物で一匹残らず切らない限り現実的ではありません。
今回はセーフでも、次回はわかりません
ロシアンルーレットの様にならない事を願います。
農林水産省によると、令和3~5年の食中毒発生件数に占める、アニサキスが原因の食中毒は、全体の約半数を占める統計があります。それだけ身近な危険といえます。
これは、保健所の届け出を集計したもので実際のところ氷山の一部と思われます。
出典:農林水産省古くから日本は、寿司や刺身など生食文化があることから、冷凍技術のない時代からアニサキス症のリスクは高いと考えられます。
「サバの生き腐れ」という言葉もアニサキスが関係しているようです。
アニサキス幼虫は、以下の魚介類などに寄生します。
宿主である魚が死亡すると、内臓から筋肉へ移動することが知られています。
お刺身など生食する場合、以下などの処置が必要です。
目視やブラックライトでの除去は、慣れや見落としのリスクがあるため、確実に死滅させるには冷凍を推奨します。
一般的な家庭用冷凍庫の仕様では、-18℃程度なので48時間以上冷凍することを意識します。
間違ったウワサや迷信にも気をつけます。
魚介類の生食後、激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる際は、速やかに医療機関を受診してください。
せっかく自分で釣った魚を振る舞って、仮に、家族や他の人が食中毒を起こす事になったら、楽しかった食事の時間が台無しになります。
アニサキスのリスクを減らすため、海の幸を安全に楽しむには、自宅でできる予防策について、正しく知ることが重要です。
お刺身など生食する場合、特に注意が必要です。
今回はセーフでも、次回はわかりません
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