エソは、鋭い歯でラインを切ってしまうため、釣り人から嫌われています。
ショアジギングや船釣りで釣れますが、本命で狙う人は、まずいないでしょう。
見た目が爬虫類みたいで、とてもグロテスク。喜ばれない外道がエソなのです。
しかし、見た目のイメージと裏腹に、その身はクセもなく淡白で上品な味わい。
和洋問わず調理でき、練り物では高級な食材なのです。
この記事では、むくわれない外道、エソについて未利用魚の取り組み「キャッチ&イート」のために、どうすればいいのかを考察します。
エソは、体長70cm位まで成長する細長い体形と、大きな口を持つ魚です
細長い容姿が、ヘビやトカゲに例えられ、釣り人から人気がありません。
大きく裂けたような口で歯も鋭いです。
分類 | ヒメ目エソ科に属する魚です。マエソ、ワニエソ、トカゲエソなど日本近海だけでも約20種以上が含まれます。 |
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形態 | 細長い体形と、裂けたような大きな口を持つのが特徴です。体色は種類によって様々ですが、一般的には銀白色です。 |
生息 | 水深100m以浅の砂底に好んで生息しています。 |
食性 | 肉食性で、小魚や甲殻類などを捕食します。 |
食用 | 小骨が多く、調理が難しいことから食用として人気がありません。しかし、竹輪やさつま揚げ、かまぼこなどにすると美味しく食べられます。 |
エソとコチは、見た目が似ているため混同されやすい魚ですが、分類学的には全く異なる種類の魚です
エソ | コチ | |
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分類 | ヒメ目エソ科 | スズキ目コチ科 |
体形 | 細長い | 扁平 |
体色 | 銀白色 | 茶褐色または灰色 |
口 | 大きい | 小さい |
食性 | 小魚や甲殻類などを捕食 | ゴカイやエビ、小魚を捕食 |
食用の価値 | 食用としてはまだ未使用魚 | 白身で上品な味わいが評価され高級 |
エソは、一般的には「まずい」というイメージが広まっていますが、実際には調理次第で非常に美味しくなります
「まずい」というイメージが広まっている理由
見た目や小骨の多さから敬遠されるエソですが、美味しく食べるためには、まずその魚の特性を理解することが重要です。
その旨味を活かしたすり身は、高級練り物としても評価されています。
エソが、嫌われる理由はいくつかあります
未利用魚を料理することで、新たな美味しさを発見することもできます。
ここまでの考察で、グロテスクな見た目は慣れるとして、やはり小骨の処理がネックのようです。
エソの小骨は、身の中に密集しているだけでなく、細いため全て取り除くのは難しいです
三枚卸しの身を、スプーンで尾側から身をこそげると皮目に骨が残り、少し小骨を減らしてすり身を取ることができます。
あとはすり鉢とすりこぎ、フードプロセッサーなどを使って小骨ごと砕いてすり身にすると、美味しく召し上がれます。
新鮮なエソは、刺身として食べれますが、
画像の断面図のように、複雑な小骨が身の中に入っているのがわかります。
通常の三枚卸しでは、身に大量の小骨が残るので、骨抜きで1本1本抜く方法もあります。
あるいは、腹身廻りより、お尻から尾びれに近い身は小骨が少ないため、お刺身に造りやすいです。
エソの身は、適度な弾力と甘みがあるのが特徴で、新鮮な状態であれば刺身として楽しむことができます。
魚のプロが教える、エソの小骨処理の動画です。
必見です!
勉強になります。KEN坊チャンネル様のお見事なエソのお捌きです。
超有名YouTuberきまぐれクック様のお見事なエソの調理です。
へんな魚おじさん様のお見事なエソ料理です。
個人的には、フライとナゲットが美味しそうでした!
よく釣り上がる、エソの特徴を見分けるために、まとめてみました。
爬虫類に似ていることから「トカゲ」や「ワニ」などと分類されたようです。
マエソ | トカゲエソ | ワニエソ | |
---|---|---|---|
体長 | 体長40cmほど | 体長50cmほど | 体長70cmほどになる大型種 |
胸びれ | 胸びれが、腹びれに届くぐらい長い | 胸びれが短く、腹びれに届かない | 胸びれは、腹びれに届く |
尾ひれ | 尾ひれの、下縁が白い | 尾ひれの、下側が黒い | 尾ひれの、下縁が黒い |
胸びれの長さと、尾ひれ下縁の色で見分けができますね
エソを、漢字で表記すると以下になります。
鱛 | 狗母魚 | 鮧 | |
---|---|---|---|
由来 | 笑いが顔に現れる様の「笑壺」に例えた説 | 「狗」と「母魚」の組み合わせで、醜悪な感じの大きな魚の説 | 「魚が群れて泳ぐ様子」を表す象形文字の説 |
エソの旨味を活かしたすり身は、高級練り物として評価されています。
手間いらず、エソの高級すり身はこちら
狙った魚は、なかなか釣れてくれないのに、エソは裏切りません(笑)
言い換えると、安定して一年中、釣ることのできる本当に優秀な魚です。
捌き方のコツをつかめば、喜ばれる外道へ昇格するのではないでしょうか。
自分で釣った未利用魚を調理することで、自然への感謝の気持ちや食の大切さを実感することができます。
エソは、小骨が多く、調理が難しい魚というイメージがあり、「まずい」というイメージを持たれることも少なくありません。
しかし、エソはクセもなく淡白な味わいで、とても美味しい魚です。
エソを上手に調理すれば、とても美味しくいただくことができます
エソの身は刺し身だけでなく、様々な料理に利用できます。
上身のメニュー | すり身のメニュー |
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フライ・天ぷら | ハンバーグ・ナゲット |
蒲焼・バター焼き | 鍋・つみれ汁 |
煮付け・干物 | かまぼこ・竹輪 |
エソの美味しさを知らないあなた様へ、ぜひその魅力を体験してみてください。
次回の釣行でエソを釣ったのならば、ぜひ未利用魚の取り組み「キャッチ&イート」に挑戦してみてください。
新鮮なエソの美味しさに感動と、自然とのつながりの喜びを体験することができます。
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