「ヒョウモンダコ」をご存知ですか?
近年、温暖化の影響もあってか、これまで生息していなかった地域でもヒョウモンダコの目撃情報が増えています。
特に釣り場は、彼らが身を潜めやすい岩場や海藻などが豊富にあるため、遭遇する可能性も決して低くありません。
もし、あなたがヒョウモンダコについて何も知らずに、釣ってしまったり、誤って触ってしまったり、
最悪の場合、口にしてしまったら…想像するだけでも恐ろしいですよね。
ヒョウモンダコに関する正しい知識を持つことは、自分自身と大切な仲間たちの安全を守るために不可欠なのです。
※近縁種にオオマルモンダコが存在しますが、この記事ではヒョウモンダコ属の総称として解説します。
ヒョウモンダコとは、一見すると小さく美しい模様を持つタコですが、その正体は猛毒を持つ、極めて危険な生き物です。
釣り人や磯遊びを楽しむ私たちにとって、絶対に知っておくべき存在と言えます。
もし釣り場や磯で見かけても、興味本位で触ったり、捕まえようとしたりするのは絶対にやめて下さい。
ヒョウモンダコは、マダコ科ヒョウモンダコ属に属するタコの総称です。
興奮すると、青い輪や線の模様が、ヒョウ柄を思わせることで「豹紋蛸」と名付けられました。
近縁種に「オオマルモンダコ 」「コマルモンダコ」などが存在しますが、ヒョウモンダコ属の解説となります。
体長 | 10cmほど |
---|---|
平常時体色 | 周辺の環境に擬態 |
興奮時体色 | 鮮やかな山吹色 |
分布 | 西太平洋熱帯域・亜熱帯域 |
食性 | 甲殻類、小魚 など |
特徴 | 墨をはかない、泳ぎは苦手 |
漢字 | 豹紋蛸 |
ヒョウモンダコの生息地は、もはや「南の海の生き物」というイメージは過去のものです。
近年、海水温の上昇などの影響で生息域が北上しており、沖縄や九州はもちろん、本州の太平洋側、さらには日本海側まで、日本の広い範囲の沿岸で見つかっています。
私たち釣り人が、普段訪れるような身近な場所にも潜んでいる可能性が高い、というのが現状です。
ヒョウモンダコには、交尾中または交尾後にメスがオスを捕食する「性的共喰い(セクシャルカニバリズム)」が確認されています。
これは自然界では珍しくない現象であり、ヒョウモンダコにおいても観察されています。
この現象については、オーストラリアのクイーンズランド大学や、科学雑誌「Current Biology」に研究機関・論文で取り上げられています。
Current Biology:青線ダコのオスはメスに毒を盛るヒョウモンダコは非常に強い毒を持つため、絶対に食べてはいけません。
一般的な加熱調理では毒性は分解されないため、焼いたり煮たりしても安全に食べることはできません。
非常に少量でも人体に深刻な影響を及ぼし、最悪の場合、死に至る危険性があります。
ナショナル ジオグラフィック TV様
ヒョウモンダコの体内には、猛毒「テトロドトキシン(TTX)」を持っており、わずかな量でも人間にとっては致死量です。
その小さな体には、フグと同じ猛毒が含まれており、口にすれば命に関わる極めて危険な行為です。
見た目の可愛らしさに騙されず、危険な生物であることをしっかりと認識しておく必要があります。
ヒョウモンダコの毒は「唾液腺(だえきせん)」から分泌される神経毒・テトロドトキシン(TTX)です。
この毒は、咬まれることで体内に注入されるので、刺激や危険を与えない様にすることが重要です。
唾液腺のほか、筋肉や内臓、皮膚表面にも毒が微量に含まれていることがあります。
ネット上で散見される「ヒョウモンダコの天敵はコウイカらしい」という噂。
現在のところ、それを裏付ける確かな科学的根拠(エビデンス)は見当たりません。
ほぼ「都市伝説」や「デマ」の類に近いと考えていいでしょう。
したがいまして、「ヒョウモンダコの天敵はコウイカである」という情報は、科学的な根拠に乏しい、不確かな情報であると判断するのが妥当です。
インターネット上には様々な情報が溢れていますが、鵜呑みにせず、信頼できる情報源(一次情報)を確認することが重要です。
ヒョウモンダコの天敵については、今後の研究によって新たな事実が明らかになる可能性もありますが、現時点では「コウイカが天敵」という情報は「噂レベル」である可能性が高いと認識しておきましょう。
「ヒョウモンダコ」をご存知ですか?
近年、温暖化の影響もあってか、これまで生息していなかった地域でもヒョウモンダコの目撃情報が増えています。
ヒョウモンダコに関する正しい知識を持つことは、自分自身と大切な仲間たちの安全を守るために不可欠です。
誤って口にすると、唇や舌の痺れ、吐き気、運動麻痺、呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合、死に至る危険性があります。
絶対に食べないでください。
ヒョウモンダコの主な生息地は、西日本から南西諸島の温暖な海域の沿岸です。
ヒョウモンダコは、美しい見た目とは裏腹に、非常に危険な毒を持つ生物です。
釣り場で遭遇した際には、絶対に触らず、刺激を与えずにそっと観察するだけに留めてください。
もし誤って釣ってしまった場合は、素手で触らずに海に戻しましょう。
安全な釣りを楽しむためには、危険な生物に関する正しい知識を持つことが不可欠です。
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