突然ですが、皆さんはカツオと聞いて何を思い浮かべますか?
食卓を彩る美味しい魚、パワフルな引きでアングラーを魅了するターゲット。
そして何よりも「初鰹」と「戻り鰹」という、日本人に昔から愛されてきた二つの旬の味ですよね。
でも、ちょっと待ってください。「初鰹と戻り鰹、結局どっちが美味しいの?」そう思ったことはありませんか?
この記事では、初鰹と戻り鰹の旬の時期、味の特徴、そして実際に食べ比べて感じた違いを釣り人目線で詳しく紹介。
この記事を読み終える頃には、今年のカツオシーズンを何倍も深く、そして美味しく楽しめるようになっているはずです。
カツオ好きなら誰もが耳にする「初鰹」と「戻り鰹」。
この二つの言葉が指すのは、同じカツオでありながら、漁獲時期と回遊ルートによって全く異なる特徴を持つカツオのことです。
まずは、それぞれのカツオがどのようなものなのか、その正体に迫っていきましょう。
初鰹とは、春から初夏にかけて太平洋を北上する際に獲れるカツオのことです。
この時期のカツオは、産卵のために黒潮に乗り、豊富なプランクトンや小魚を追いかけながら北上するため、脂が少なく、身が引き締まっています。
昔は「その年の最初に水揚げされたカツオ」を意味する「初鰹」が本来の定義でしたが、近年では春〜初夏(主に3〜5月頃)に北上してきた個体全般(上り鰹)を「初鰹」と呼ぶようになっています。
一方、戻り鰹は、北の海で豊富な餌を食べて栄養を蓄え、産卵のために再び南下するカツオを指します。
この時期のカツオは、夏を越えて豊富なエサを食べているため、全身にたっぷりと脂が乗っており、とろけるような濃厚な味わいが楽しめます。
栄養面でも違いがあり、戻り鰹は初鰹に比べ脂質が10倍以上と高く、カロリーや脂の乗りという点で明らかな差が見られます。
アニサキスは、クジラやイルカといった海洋哺乳類を最終宿主とする寄生虫です。
アニサキスは、オキアミなどの甲殻類を食べ、それを捕食したサバ、アジ、イカ、そして今回テーマであるカツオなどの魚介類の内臓に寄生します。
そのため、カツオの体内にアニサキスが潜んでいる可能性は十分にあります。
東京都保健医療局:アニサキスによる食中毒「初鰹」と「戻り鰹」、どちらが美味しいかという答えは、あなたの「どんなカツオを食べたいか?」という問いに置き換えることができます。
さっぱりと魚本来の味を楽しみたいなら初鰹、とろけるような濃厚な脂を味わいたいなら戻り鰹です。
どちらか一方を選ぶのではなく、四季を通じてそれぞれのカツオの味を楽しむことが、一番の贅沢だと考えています。
せり人ムタロー様
初鰹は、冬を過ごした暖かい海から、産卵とエサを求めて北上する際に獲れるカツオです。
この時期のカツオは、まだエサを十分に食べていないため、脂が少なく身が引き締まっています。
このため、さっぱりとしていて、カツオ本来の旨味や香りをストレートに感じることができます。
戻り鰹は、北の冷たい海で豊富なエサ(イワシやサンマなど)をたっぷりと食べ、南下する際に獲れるカツオです。
この時期のカツオは、全身にたっぷりと脂を蓄えているため、とろけるような濃厚な味わいが特徴です。
しっとり・もっちりした身質で、濃厚な旨味が楽しめます。EPAやDHAといった不飽和脂肪酸も豊富で栄養価が高いのも特徴です。
高知は、暖流である黒潮がすぐ沖合を流れるため、カツオの主要な回遊ルート上に位置しています。
この地理的優位性から、カツオの群れが北上する春と、南下する秋、両方の時期に質の高いカツオが水揚げされます。
このように、高知では一年を通してカツオが水揚げされますが、特に美味とされる旬が春と秋の2回あるのです。
鰹は回遊魚で、春と秋に旬を迎える珍しい魚です。
釣り人や食通の間でよく話題になるのが「初鰹と戻り鰹、どっちが美味しいのか?」という問い。
結論から言うと、どちらも魅力的で、味わいの方向性が全く異なります。
一方、秋(9〜11月頃)の「戻り鰹」は、北の海で餌を十分に食べて南下してくる鰹。
身は大きく、脂質は100gあたり6〜7gと豊富。DHAやEPAといった不飽和脂肪酸も多く、濃厚でまろやかな味わいを楽しめます。
刺身や寿司でシンプルに味わえば、その脂の旨みをダイレクトに堪能できます。
注意点
カツオを生で食べる際、特に注意したいのがアニサキスという寄生虫です。
カツオにもアニサキスは寄生しています。刺身にする際は、目視でよく確認し、除去すること。
初鰹と戻り鰹は、どちらが美味しいという単純な答えはありません。
それぞれの旬の時期に合った最高の食べ方で、カツオの奥深い味の世界を堪能することをおすすめします。
ぜひ、あなたも両方のカツオを味わって、自分にとっての「最高のカツオ」を見つけてみてください。
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