ボラという魚を食べたことはありますか?
「泥臭くてまずいだろ?」「食べない魚でしょう」と言われることも少なくありません。
しかし、釣れた場所や時期によっては驚くほど美味しい魚なのです。
この記事では、ボラを食べない方の理由や、どうすれば刺身を美味しく食べれるかを、釣り人の視点から考察します。
釣り人としての視点を広げ、「釣った魚を余すことなく楽しむ」という新しい楽しみ方も手に入れられるでしょう。
ボラは沿岸や河口域に生息する回遊魚で、成長すると非常に大きくなることから釣り人にも馴染みのある魚です。
しかし、環境の影響を受けやすく、泥臭さや汚染物質の蓄積が懸念されるため、食用としては敬遠されることが多い魚でもあります。
ただし、水質の環境によっては美味しく食べられるポテンシャルを秘めた魚なのです。
ボラは、スズキ目ボラ科に属する海水魚です。
出世魚として知られ、成長段階によって呼び名が変わる地域もあります。
スバシリ(15cmまで)⇒ イナ(30cmまで)⇒ ボラ(50cmまで)⇒ トド(50cm以上 )など
体長 | 大型は1m近くまで成長 |
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体色 | 背側が青灰色、緑褐色、腹側が銀白色 |
体型 | 体は細長く、頭部は平たく逆三角形 |
生息域 | 沿岸の浅場や汽水域 |
食性 | 雑食性、低底に堆積した微生物や付着藻類など |
特徴 | 側線は無く体側に不明瞭な縦しまが数本 |
漢字 | 鰡、鯔、母羅 |
地方名 | イセゴイ、クロメ、シロメ など |
ボラに、アニサキスが寄生する可能性はありますが、その確率は非常に低いため、適切な処理を行えば安全に生食することができます。
東京都健康安全研究センターの調査では、10検体のボラを検査した結果、アニサキスの検出率はゼロでした。
しかし、ボラを捌くときは「アニサキスはいない」と決めつけないで「いるかもしれない」と疑って、目視でよく確認することが重要です。
ボラは、日本では古くから重要な食用魚で、日常的に盛んに食べられていました。
水質汚染にも強く、工業廃水や都市化が進む影響で、匂いのある個体が多くなり「まずい」「臭い」というイメージが定着したと思われます。
水底の沈殿しているプランクトンの死骸などを、泥や付着藻といっしょに捕食するため、泥臭さの原因ともなっています。
近年では、港湾部の水質改善が進んでおり、ボラの食味や安全性が向上したという報告もありますが、過去のイメージの払拭には至っていません。
水質の良い水域でなければ、今の所おすすめができない有り様です。
言い換えると、水質が良くなる冬場の、外洋に面した堤防や磯周辺で釣れたボラは、価値のある個体と言えます。
ボラは、潮通しの良い磯や外洋に面した沖で釣れた個体が、臭みもなく美味しく食べられます。
釣り上げたボラは、脳締めと血抜きを施し、適切に冷却して持ち帰ります。
そうすることで鮮度を保ち、その美味しさを最大限に引き出すことができます。
さばけるチャンネル様
鮮度を保って持ち帰ったボラは、刺身で食べることができます。
その上品な甘みとプリッとした食感が楽しめる、絶品の一品となります。
特に、脂の乗る寒ボラは、強いうま味の割りに後味がいいです
ボラの塩焼きは、魚の本来の味を引き出す最もシンプルな調理法の一つです。
冬のボラは脂が乗っており、塩焼きにすると、その脂が溶け出し、魚全体に旨みを広げます。
冬のボラに、わさびを付けて食べると、上品な甘味と旨味を感じます
ボラのメスを釣り上げると、秋口から冬にかけて卵巣を蓄えます。
ボラの卵巣は、日本三大珍味の一つである「からすみ」の原料として知られています。
卵巣を塩漬けして乾燥させたものが、カラスミです。手間と時間はかかりますが、自作に挑戦することで、手間をかけた分だけ満足感が得られるでしょう。
スライスし少し炙って、ちょっといい日本酒とやって下さい
ボラを食べたことはありますか?
「まずい」「臭い」というイメージが先行し、未利用魚の最たるものとなっています。
ボラは雑食性で、主に水底の沈殿しているプランクトンの死骸や付着藻、泥といっしょに捕食するため、生息する場所が肝です。
しかし、潮通しの良い磯や、外洋に面した沖で釣れた個体は、臭みもなく食べられます。
水質の良い水域であれば、価値の上がる魚種と言えます。
「どこで釣れたボラ」かが、美味しく食べるためには重要です
湾奥や河口付近に生息する個体は、注意が必要です。
特に、脂の乗る冬の寒ボラは、強いうま味の割りに後味がいいのです。
外洋に面した防波堤や磯周辺で釣れたボラは、臭みもなく美味しく食べられます。
釣り上げたボラは、脳締めと血抜きを施し、適切に冷却して持ち帰ります。
そうすることで鮮度を保ち、その美味しさを最大限に引き出すことができます。
日本三大珍味の一つである「からすみ」を、自作で挑戦するだけでも、ボラ釣りの新たな魅力を発見できるでしょう。
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