ワカサギ釣りや、スーパーでパック詰めされた旬のワカサギを手に入れたとき、「すべて下処理する必要があるのか」という疑問です。
一匹ずつ内臓を取る作業は、数が多いと気が遠くなるような時間と労力を要します。
結論から申し上げますと、すべてのワカサギに完璧な下処理が必要なわけではありません。
魚のサイズや個体差を見極めることで、手間を大幅に省きつつ、美味しく食べることは十分に可能です。
この記事では、サイズ別の下処理の要否、初心者でもできる内臓処理の方法、臭みを抑えるコツなどを詳しくまとめています。
調理しきれない余ったワカサギの下処理と保存方法までを徹底解説します。
ワカサギの下処理の必要性は、主にサイズと内臓の状態で判断します。小さいワカサギは内臓が未発達で苦味も少ないため、そのまま揚げても食味への影響がほとんどありません。
一方、大型のワカサギは、腸内に砂粒が残る場合があります。さらに、内臓に独特の苦味を持つことがあるため、大きい個体ほど下処理の重要性が増します。
また、鮮度が落ちた個体は小さくても臭みが出ることがあるため、購入から時間が経過している場合は処理を行うのが望ましいです。
参考:青森のうまいものたち わかさぎ体長が10cm未満の小さなワカサギは、骨が非常に柔らかく、内臓も小さいため、ほとんど苦味を感じることはありません。
そのため、内臓を取る作業を省略し、ぬめりや汚れを落とす「水洗い」のみで天ぷらに揚げても、十分に美味しくいただけます。
ただし、内臓の苦味に非常に敏感な方やお子様が食べる場合は、後述する簡単な内臓処理を行うと、より安心して召し上がることができます。
体長が10cmを超えるような大きく成長したワカサギは、食べた時の苦味や、内臓に残った砂のジャリジャリとした食感が強くなる傾向があります。
また、大型ワカサギは、消化途中の成分が味に影響する場合があるため、内臓を取り除くことで味の安定性が高まり、食感も良くなります。
ハラワタを取り除くことで、純粋な身の旨味だけを堪能できるようになり、特に抱卵のあるメスの場合、卵を残しつつ内臓の除去で仕上がりの満足度が大きいです。
ワカサギは淡水魚特有のぬめりを持ち、そのまま調理すると臭みの原因になります。天ぷらにすることで多少は緩和しますが、下処理を適切に行うと仕上がりの差がより大きいです。
ぬめりの除去は生臭さを抑えるだけでなく、衣の付き具合も向上させるため、仕上がりの軽さにも影響します。
また、水分をしっかり拭く工程は、揚げる際の油はねや爆発事故を防ぐために不可欠です。
内臓を取らない場合であっても、下処理として必ず行って頂きたいのが「塩もみ」です。ワカサギの体表には独特のぬめりがあり、これが生臭さの主な原因となります。
また、微細なウロコも付着しているため、これらを塩の研磨作用で取り除きます。ボウルに入れたワカサギに多めの塩を振り、優しく揉み込むようにして全体を混ぜ合わせます。
その後、たっぷりの流水で塩とぬめり、剥がれたウロコを丁寧に洗い流してください。この際、ワカサギを氷水に浸けながら洗うと、身が締まり、鮮度を保つことができます。
塩もみ後に真水でしっかりすすぐことで、余分な塩分と汚れが取り除かれます。ボウルの水を2〜3回替えて丁寧に洗って下さい。
さらに、料理用の日本酒を少量回しかける「酒洗い」を行うと、アルコールの作用で魚の臭みが和らぎ、風味が穏やかになります。
酒洗いはプロでもよく使われる処理で、家庭でも非常に簡単に取り入れられます。一般的なレシピでは紹介されないことが多いですが、天ぷらの仕上がりを一段階引き上げる効果があります。
天ぷらを揚げる際、最も危険な「油ハネ(爆発)」の原因は、素材に残った余分な水分です。ワカサギに水が残っていると、油の中で急激に膨張し、身が破裂することがあります。
防ぐには、ペーパーの上にワカサギを重ならないように並べ、上からもペーパーを被せて優しく押さえ、表面と腹の中の水分をしっかりと吸い取ります。
冷蔵庫に入れて表面を乾かすのも有効です。水分を徹底的に除くことは、安全面だけでなく食感にも大きく影響します。
ワカサギは小型の魚であるため、内臓の処理は難しく思われがちですが、実際にはいくつかの簡単な方法があります。
特に、天ぷらに使用する際は苦味の原因となる内容物を取り除くことで、よりクリアな味わいに仕上がります。釣りたてのワカサギは内臓が柔らかく処理しやすいため、釣行後すぐの作業が特に効果的です。
初心者でも少ない手順で確実に行えるよう、具体的な方法を以下にまとめています。初心者の方でも簡単に実践できる代表的な内臓処理の方法を3種類ご紹介いたします。
包丁を使わない最も簡単な内臓処理の方法が「フン出し」です。下処理を終えたワカサギの体表にあるお腹の部分(肛門に向けて)を、指の腹で優しく、しっかりとしごくように押します。
すると、苦味の主な原因となる排泄物や消化器の内容物が、肛門からニュルッと押し出されます。主要な苦味成分を取り除くことができるため、大量に処理したい時に大変便利です。
腹を押す力加減は強すぎないようにし、身が崩れないよう注意します。特に大型のワカサギでは効果が高く、処理後の臭みも軽減できます。
釣りたまご様
ワカサギの下顎をつまみ、ゆっくり引き離すことでエラと内臓が一体化して抜けてくる方法もあります。
ワカサギの下アゴをつまんで、そのままゆっくりと引っ張り抜くというテクニックです 。下アゴはエラと内臓の一部と繋がっているため、アゴを引き離すことでエラと内臓が一気に、そしてきれいに取れます。
この方法はワカサギの身をほとんど傷つけないため、天ぷらの仕上がりが非常に美しく、慣れるまでは少し難しいかもしれませんが、一度コツを掴めば大幅な時間短縮になります。
最も確実に苦味を取り除くなら、頭ごと内臓を落とす方法が一番です。キッチンバサミを使えば、包丁やまな板を汚すことなく空中で作業を完結させることも可能です。
特に黒っぽい内臓や緑色の胆嚢が残っていると苦味が強く出るため、目視で確認して取り除きましょう。内臓を取り除いた後は、腹腔内を軽く水で流し、残った内容物を除去します。
この方法は最も手間がかかりますが、味のばらつきを抑え、品質を一定に保つことができます。頭がない分、天ぷらの見た目の豪華さは少し減りますが、味は最も上品で食べやすくなります。
その日のうちに調理できないワカサギは冷蔵・冷凍保存することになりますが、その際も「下処理をしてから」保存するのが鉄則です。
先述した「塩もみ・水洗い・酒洗い」までは必ず行い、内臓処理が必要なサイズであれば取り除いておきましょう。最も重要なのは、冷凍する前にキッチンペーパーで水分を極限まで拭き取ることです。
水分が残っていると、冷凍時に霜となり、これが解凍時に魚の細胞を破壊して味を落とす原因になります。下処理を済ませたワカサギは、フリーザーバッグに入れて空気を抜いて保存してください。
ワカサギを冷凍保存する際は、内臓を取り除いてから行うのが最も効果的です。内臓を残したまま冷凍すると、解凍時に酸化や劣化が進み、強い臭みが出る原因になります。
また、ぬめりや汚れを落としておくことで、解凍後の調理がスムーズになり、品質の安定にもつながります。冷凍する際は1回分ずつ分けて保存することで、必要な分だけ取り出せて便利です。
真空パックがあれば理想的ですが、ラップでしっかり包んだ上でジッパー袋に入れるだけでも効果があります。家庭の冷凍庫での保存期間は1ヶ月を目安にすると良い状態を保てます。
冷凍したワカサギを天ぷらにする際、急激な温度変化はドリップが流出するため、使う半日ほど前に冷蔵庫へ移して冷蔵解凍するか、急ぐ場合は袋のまま流水に当てて解凍します。
解凍されたワカサギからは、少なからず水分が出ています。この水分には臭みが含まれているため、調理前にペーパーで表面の水気をしっかりと拭き取ってください。
この水分処理を怠ると、衣が剥がれやすくなったり、油ハネの原因になるため注意が必要です。
ワカサギの天ぷらは、釣り人の特権とも言える最高の味覚ですが、下処理の「手間」で躊躇する方も多いのではないでしょうか。
特に天ぷらにする場合、「小さいワカサギは下処理なしでも大丈夫なのか」「内臓の苦味が気にならないか」といった疑問を持つ方が多くいます。
結論から言えば、下処理の要否はワカサギのサイズと個人の好みで判断して問題ありません。
また、内臓処理をする・しないにかかわらず、「臭み消し」と「爆発防止」の基本処理は必須です。
まず塩もみを行い、ぬめりとウロコを流水でしっかり洗い流してください。その後、揚げる前にキッチンペーパーで水分を拭き取ることが、油ハネを防ぎ、サクサクの衣に仕上げるための最も重要な一手間となります。
これらのコツを実践し、最高のワカサギ天ぷらを堪能してください。
下処理後に冷凍保存する場合は、ぬめりと内臓を取り除いてから凍らせることで品質の低下を防げます。
解凍時はドリップの水分を丁寧に拭き取ることが天ぷらの仕上がりを左右します。
水分が残ると油はねだけでなく衣が重く仕上がるため、調理前の水気処理が非常に重要です。
これらのコツを実践し、最高のワカサギ天ぷらを堪能してください。
ワカサギ釣りは「釣って良し、食べて良し」の最高の遊びです。
完璧を目指しすぎて疲れるよりも、サイズに合わせて手を抜くところは抜き、旬の味を存分に楽しんでください!
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