「アジの煮付け」はサバやイワシに比べると、家庭料理としての知名度は明らかに低いです。
なぜ「アジの煮付け」は一般的でないのか?これには「魚の肉質」と「調理法の競合」の2つの側面から明確な理由があります。
アジの調理法といえば「刺身やたたき」「フライ」「焼き」「南蛮漬け」「干物」などの形で消費されることが多い魚です。
「調理法の競合」は全記述でわかりますが、アジの「魚の肉質」とはどんな肉質なのでしょう。
この記事では、アジの「魚の肉質」を理解し、失敗しやすいポイントとコツをわかりやすく解説します。
そして、失敗知らずの「めんつゆレシピ」、プロ級の味に仕上がる「黄金比」までを徹底解説します。
サバの煮付けはトロッとして美味しいのに、「アジの煮付けはどうしてこうも味が違うのだろう」と疑問に思ったことはありませんか?
その最大の理由は、サバと比べてアジという魚の「脂の少なさ」と「独特の臭み成分」にあります。
サバなどの脂が豊富な魚は、加熱しても脂が溶け出して身を柔らかく保ってくれますが、アジは水分が抜けて筋肉が縮まり、どうしても食感が悪くなってしまうのです。
参考:ミツカン あじの姿煮煮魚の生臭さの原因のほとんどは、魚に残った「血合い」や「ぬめり」です。
これらを放置したまま煮てしまうと、煮汁全体に臭みが広がり、せっかくの調味料の風味が台無しになってしまいます。
ひと塩をして霜降りにするだけで臭みが驚くほど抜け、味の入り方も大きく変わります。
「味をしっかり中まで染み込ませたい」と思うあまり、弱火でコトコト20分も30分も煮込んでいませんか?
実はこれこそが、アジの身をパサパサのスポンジ状にしてしまう一番の原因です。
アジは脂が少ない魚なので、長時間加熱すればするほど身の中の水分が外へ逃げ出し、繊維がギュッと縮まって固くなります。
煮込み続けるのではなく、火を止めた後の「冷ます時に味を入れる」を味方につけることが、ふっくら仕上げるための最大の秘訣と言えます。
調味料の分量を細かく量るのが苦手な人でも、めんつゆを使えばアジの煮付けが簡単に失敗なく作れます。
めんつゆは醤油・みりん・砂糖などが絶妙なバランスで配合されているため、誰が作っても味がブレにくいのが最大の魅力。
忙しい日でも短時間で味が決まり、初めて煮魚に挑戦する方にもおすすめの方法です。
めんつゆが煮付けに最適な理由は、その成分構成にあります。
出汁の旨味成分(イノシン酸、グルタミン酸)が最初から入っているため、素材(アジ)の旨味をサポートし、少ない煮汁でもしっかりと味が決まります。
また砂糖の角がない、まろやかな甘さが魚の旨味を引き立て、煮詰めても味が濃くなりすぎにくい点も初心者に優しい特徴です。
めんつゆの煮付けにおける成功の鍵は、希釈倍率を調整することです。
一般的なかけつゆの濃さでは薄すぎるため、濃いめの希釈に調整する必要があります。
お使いのめんつゆの濃さ(2倍濃縮、3倍濃縮など)によって割合は変わりますが、基本的には「濃縮表記の煮物を作るよりも、少し濃いめ」に調整するのがポイントです。
めんつゆが便利とはいえ、やはり自分で調味料を組み合わせて作る煮付けは、味の深みが一段と増します。
特に醤油・酒・みりんの黄金比は、飲食店でも使われるほど完成された配合で、アジの旨味をしっかり引き立てます。
自宅でも“プロの味”に近づけたい人は、ぜひこの黄金比を覚えておくと料理の幅が大きく広がります。
まかないチャレンジ! 様
アジの煮付けの黄金比は「醤油:酒:みりん=1:1:1」が基本です。砂糖を少し加える場合は、みりんの甘味と合わせて味に丸みが出ます。
この配合はどんな魚にも応用でき、煮詰めても味が濃くなりすぎず、冷めても美味しいのが特徴。
最初に合わせ調味料を作ってから魚を煮ると味ムラがなく、初心者でも安定した仕上がりになります。
煮魚を美味しく作るために欠かせないのが「落とし蓋」です。
魚を煮る際、煮汁は少ない方が味が濃くつきやすいのですが、煮汁が少ないと魚の上半分が煮汁から出てしまい、味が染み込みません。
そこで落とし蓋を使うことで、煮汁が全体に行き渡り、魚の身に均一に圧力がかかりながら味が染み込み、短時間でムラなく仕上げることができます。
釣り人なら誰もが経験する「せっかく釣ったアジ(または新鮮なアジ)を煮付けにしたら生臭い、パサパサになった」という悲劇。
それはあなたの腕の問題ではなく、アジという魚の身質が、サバやイワシとは異なるからです。
アジの身質を理解しないまま「なんとなく」煮てしまったことが最大の原因です。
アジの煮付けがまずくなる原因「下処理」
丁寧に下処理をしないまま煮てしまうと、生臭さが煮汁全体に広がり、味の雑味の原因になります。
ひと塩して少し置き、霜降りで血合いや汚れを落とすだけで仕上がりが格段に変わります。
忙しい日や調味料を細かく量りたくないときは、めんつゆが便利です。
めんつゆは醤油・みりん・砂糖のバランスが整っているため、誰が作っても味が安定しやすいのが強み。
3倍濃縮タイプなら「めんつゆ1:水2〜3」を目安にすると煮付け向きの味になります。
めんつゆで簡単に、黄金比で本格的に。どちらも今日から実践できる方法なので、ぜひ試してみてください。
すでに作ってしまい「まずくて食べられない」と思っているあなたへ。その煮付けは「竜田揚げ」や「そぼろ」にリメイクすれば復活します。
アジは本来、非常に美味しい魚です。コツさえ掴めば煮付けも絶品になりますので、ぜひリベンジしてみてください。
Copyright © AZU. All rights reserved.